1. 左ギリギリを走らない
縁石の近くに寄りすぎると、状況によっては車から見えにくいだけでなく、路肩に破片が落ちていたりしますし、マンホールや下水管の蓋なども濡れていると滑りやすくなっています。それに背後から追い越しをかけられた時に逃げ場がありません。追い越しをかけられた際に、もし左に寄ることが危険だと判断した場合、そのまま敢えて車をブロックして、左側の安全を確認した上で、避けるようにします。 追い越す車と十分な空間が取れないギリギリの状態で車を追い越させると怪我につながりますので、車に少しだけ待ってもらうか、あるいは、安全な場所で止まって車を追い越させます。
上記ビデオは、自転車に乗る上で、基本的な動作や注意点をまとめたものです。
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2. 周囲をよく見る
路上を観察する力は、是非ともつけたい能力です
路上には、荒れた路面や下水溝、減速のためのハンプ、駐車車両、小石などなど、危険がたくさん潜んでいます。交差点に近づいた時や信号が変わるなどの時など、路上に潜む危険にいち早く気づき、どう回避するか考えておくようにすると、適切な行動を取れるようになります。そうでないと、急ブレーキをかけることになったり、前の危険物をとっさに避けるために急に道路の中央に出たりすることになり、路上の他の車や自転車との接触につながります。
3. 予測する能力をつける
道路上の全て車や、自転車、歩行者はあなたが想像もしない動きをするかもしれません
他の人の動きをコントロールすることなどできません。でも、歩行者が自分に気づいていなくても動きをきちんと見ていれば、どこに行こうとしているのか予測できます。リードをつけていない犬や道路脇からボールを追いかけて出てくる子供、携帯電話で話しているドライバーなども同様です。もし、何か、あるいは誰か、予測できない時は、必要な行動が取れるように、スピードを緩めたり、止まって待つようにしましょう。
4. 自分が次に何をしようとしているのか周囲にアピールする
道路上の他の人に自分が次に何をしようとしているのかをきちんと伝える。
自分が右左折や進路変更などをする前に、後方を含め周囲を確認します。安全を確認した上で周りの人がわかるようにきちんとシグナルを出し、次の行動に移るようにします。また、車が間隔を置いて数台が続いて駐車している場合は、駐車車両を追い越すごとに左に寄ってしまうと車の死角に入り、再度次の駐車車両を追い越すために、車の陰から急に飛び出すことになるので、自分が走行するレーンをきちんとキープします。
もし、後方確認やハンドサインをする時に、不安定になる場合には、車の来ない場所で練習してから、道路に出るようにしましょう。
5. アイコンタクトをとる
交差点などでは、車など他の道路利用者とアイコンタクトをとる
車のドライバーが自分に気づいてくれているかどうか、確認するためにアイコンタクトをとるのは有効です。アイコンタクトを取らずに、こうしてくれるだろうと推測して行動するのは非常に危険です。相手が自分を見ていない時や、どうするか判断がつかない時は、必要に応じて、いつでもブレーキをかけられるようにするか、相手をよく見て様子を見ましょう。
6. 大型トラックを決して追い越さない
左折する大型トラックは、サイクリストにとってとても危険です
ほとんどの大型トラックの助手席側は死角になっていて左側にいる自転車は見えません。サイドミラーに自分が写っていない可能性が高いので、十分注意します。
前に大型トラックがいる場合は、基本的には決して追い越してはいけません。しかしバスレーンやタクシーの列、駐車車両が連なっている場合に大型トラックの左側を走らざるを得ない状況になるかもしれません。また、大型バスが追い越しをかけてきて、信号で自分の真横に停まったりすることもあります。そのような時には、もし大丈夫なようであれば、信号の手前で大型トラックの前に出て、トラックの運転手から自分が見えるようにします。道路の縁石すれすれの場所にいて運転手から見えないよりは、運転者に自分がいることを知ってもらい、注意してもらう方が危険を減らすことができます。
大型トラックが近くを走っている時や後ろから近づいてきた時には、最大限の注意を払います。大型トラックの運転手が自分に気づいていると思ってはいけません。同様に運転手が左折しようとしているのかどうかは、自分がトラックの真横にいたら見えません。
7. 駐車車両の開くドアに注意する
急に開いた車のドアにぶつからないように、十分なスペースをとる
駐車車両に近づく時は、まず後方確認をし、大丈夫であれば、車との間を十分にとって(ドアの長さ以上)追い越すようにします。運転者が後方確認をせずに急にドアを開けることがあるからです。もし車が前方で停まったばかりであれば、その確率は高くなります。駐車車両を追い越す時は、その中に運転手がいるかどうかを確認するようにします。
急に開くドアがいかに危険か、また、それを避けるために運転手の方にお願いしたいことを、「車のドアを開ける時は左手で! ドライバーの皆さんへのお願い」として翻訳し、以下のビデオに収めてあります。(結構、衝撃的な映像です)
急に開くドアがいかに危険か、また、それを避けるために運転手の方にお願いしたいことを、「車のドアを開ける時は左手で! ドライバーの皆さんへのお願い」として翻訳し、上記ビデオに収めてあります。
(結構、衝撃的な映像です)
8. ライトをつける
夜間に無灯火で走ると違反です。
夜、ライトをつけずに自転車に乗ると道路交通法違反になります(日本でも同様です!)。道路交通法第52条にあるように、自転車の前と後ろにはライトをつけなければなりません。白か黄色のライトは前、赤か橙が後ろです。日中でもライトをつけるようにすれば、後続車両に気づいてもらいやすくなります。また、霧の濃い日など視界の悪い日にもライトをつけるようにしましょう。夜、走ることが多い場合には電池など準備して走りましょう。
9. 手はブレーキに
もしブレーキレバーを簡単につかめないようであれば、すぐに止まることはできません。自転車に乗る時は、ブレーキに手をかけて走りましょう
いつでもブレーキをかけることができるようにしておきます。そして安全なブレーキのかけ方もマスターしておきましょう。片方だけかけるのではなく、両方のブレーキを同時に同様の力でかけるようにします。雨の時や道路が凍っている時はいつもよりも注意してブレーキをかけるようにします。
10. サイクルトレーニングは大人であっても有効です。
Bikeability (英国政府が確立した自転車教育プログラム)は子供のためだけではありません。
初心者であっても経験者であっても、サイクルインストラクターによる自転車教室に参加することは有効です。サイクルインストラクターは、今日の道路状況において、どのように走るのが安全かを教えてくれますし、疑問点にも答えてくれます。
注)JCTAは、英国運輸省が確立し、欧米で広く使われている自転車教育プログラム「Bikeability」自転車教育を推進しています。
著者: Victoria Hazael (Tuesday, 30 July 2019)
翻訳と編集:日本サイクルツーリズム 推進協会(2020年5月4日)